お知らせ・コラム
トップ お知らせ・コラム ピアジェの認知発達理論を解説!子どもの成長をサポートするために知っておきたい4つの発達段階とは?

ピアジェの認知発達理論を解説!子どもの成長をサポートするために知っておきたい4つの発達段階とは?

2024.08.15

ピアジェの認知発達理論を解説!子どもの成長をサポートするために知っておきたい4つの発達段階とは?

「ピアジェの認知発達理論」とは

心理学者ジャン・ピアジェが提唱した認知発達理論

「ピアジェの認知発達理論」は、心理学者ジャン・ピアジェが提唱したもので、子どもが成長するにつれて知識や理解がどのように発展するかを説明した理論です。ピアジェは、子どもが成長する過程で、さまざまな段階を経て物事を理解する能力が発達すると考えました。
ピアジェの認知発達理論では、子どもの年齢や発達に合わせて4つの発達段階が定義されており、それぞれの段階で子どもは異なる認知能力を発展させ、周囲の世界をより深く理解していくとされています。

 

認知の枠組み「シェマ」

ピアジェの認知発達理論で重要な概念が「シェマ」です。シェマとは、様々な情報を整理し理解するための、認知の枠組みや構造のことを表します。子どもは、新しい経験や情報を通じてシェマを形成し、それを基にして世界を理解します。
シェマは成長と共に変化し、新しい情報が既存のシェマと合わない場合、子どもはシェマを修正したり新たなシェマを作り出す「同化」「調整」というプロセスを通じて、認知能力を発展させます。

同化

既存のシェマに新しい情報を取り入れるプロセスが「同化」です。
子どもが新しい経験をするとき、その経験が既存のシェマに合う場合、その情報をシェマに取り込んで理解を深めます。例えば、子どもが初めて見る動物が犬だとしたら、すべての四足動物を「犬」と認識するかもしれません。このように、新しい経験を既存の知識に当てはめて理解しようとするのが「同化」です。

調整

新しい情報が既存のシェマに合わない場合に、シェマを修正したり新たなシェマを作り出すプロセスが「調整」です。
例えば、子どもが犬とは異なる四足動物(例えば猫)に出会ったとき、その動物が犬と異なる特徴を持っていることを認識します。この場合、子どもは「犬」と「猫」を区別するために、既存のシェマを修正したり新しいシェマを作ります。調整は、既存の理解を変え、知識をより正確にするための重要なステップです。

この「同化」と「調整」のプロセスを通じて、子どもは環境に適応し、知識と理解を深めていくと考えられています。

ピアジェが定義する4つの発達段階

ピアジェの認知発達理論では、子どもの年齢や発達に合わせて4つの発達段階が定義されています。それぞれの段階でどのような認知発達が進んでいくのか、詳しく見ていきましょう。

1.感覚運動期(0~2歳頃)

感覚運動期は、子どもが感覚や体の動きを使って世界を理解し始める発達段階です。この期間、子どもは目で見たり、耳で聞いたり、手で触ったりしながら周りの環境を学びます。

循環反応

子どもが自分の体や周囲の物との反応を繰り返す行動です。手を口に持っていく動作を何度も繰り返す、ふと何かを触ってみたら感触が面白かったので何度も触ってみるなど、この行動をすることで感覚と運動が連動し、学習が進みます。

対象の永続性

物は見えなくなっても存在し続けることを理解する能力です。生まれたばかりの頃は、おもちゃを布で隠すとなくなったと感じてしまいますが、永続性が身に着くと、おもちゃは消えたのではなく布の後ろに存在し続けていることを認識できるようになります。

シンボル機能(表象機能)

物や出来事を内的に表現する能力です。例えば、おもちゃの車を見て「車」という言葉を思い浮かべたり、見えないものを思い出すことができます。

模倣行動

大人の顔の表情や手の動きなど、他者の行動を観察しそれを真似します。

2.前操作期(2~7歳頃)

前操作期は、子どもの認知発達において非常に重要な時期です。言葉や象徴(シンボル)を使って物事を理解する能力が発達し始めますが、この段階ではまだ論理的な思考は未熟です。

自己中心性・中心化

自分の視点や感情を中心に物事を考え、他者の視点や感情を理解するのが難しい状態です。例えば、かくれんぼをして自分の目を隠すと、他の人からも見えていないと思ったり、自分が喜んでいるときには周りの人も同じように喜んでいると思うことがあります。また、話している相手の反応や理解を考えずに、自分の話したいことを一方的に話し続けるという傾向もあります。

保存性の未発達

物の量や数は見かけの変化に関わらず一定であるという概念を、まだ理解できていない状態です。例えば、太いコップから細いコップに水を移すと、水面が高くなるので水が増えたと感じます。

アニミズム的思考

無生物にも生命や意識があると考えます。おもちゃや自然現象に対しても人間のような感情や行動を持っていると感じており、人形に話しかけたり、月が追いかけてくると思ったりします。

象徴機能

実物を使わずに物事を表現する能力です。言葉やイメージを使って物事を理解し、表現する能力が発達します。これにより、現実の物を実際に見なくても頭の中で思い描いたり、ごっこ遊びなどの模倣遊びができるようになります。

3.具体的操作期(7~11歳頃)

具体的操作期は、具体的な事物や状況に基づいて論理的に考える能力が発達します。この段階では抽象的な思考はまだ難しいものの、具体的な状況に対して、論理的に考えたり解決策を見つけたりすることができるようになります。

論理的思考

具体的な事例や経験に基づいて論理的に考えることができるようになります。例えば、物の重さや体積の比較、足し算や引き算を使って問題を解くことなどができます。また、「雨が降ると地面が濡れる」といった因果関係についても理解します。

保存性の習得

物の量や数は見かけの変化に関わらず一定であることを理解する能力です。前操作期では未発達だった保存性という概念について、理解して習得します。

脱自己中心性

他者の視点や感情を理解し、自分の視点と区別できるようになります。前操作期で特徴的だった自己中心性を脱し、親や友達の気持ちや考えを理解したり、共感することができるようになります。

分類と系列化

物事をカテゴリーに分けたり、順序立てて整理する能力を身につけます。動物を「哺乳類」「鳥類」「魚類」などに分類したり、数の大小関係を理解することで、高さ順や年齢順に並べるといった順序立てができるようになります。

4.形式的操作期(11歳頃~)

形式的操作期は、抽象的な思考や仮説的な推理ができるようになる段階です。この時期には、より高度な認知能力が発達し、複雑な問題解決や未来の計画を立てる能力が向上します。

形式的演繹

仮定に基づいて論理的に結論を導く能力です。「もしAならばB」という形式で考え、結論を導き出すことができるようになります。数学の定理を理解した上でそれらを使って問題を解いたり、科学の原理を理解し、実験に応用して結果を予測したり検証することができます。

抽象的・仮定的な推理

具体的な事象や経験に捉われず、抽象的な概念や仮定を使って物事を広い視点で考える能力です。自分で実際に体験したものではなくても、説明や映像などからイメージを描くことができたり、複雑な道徳的問題について考え、異なる視点から解決策を探ることができます。

子どもの認知発達をサポートするポイント

子どもの認知発達をサポートするためには、ピアジェの認知発達理論における4つの発達段階を理解し、子どもが今どの発達段階なのかを認識することが重要です。これにより、今の子どもの発達段階に合わせた適切なサポートをすることが可能となります。以下に、各段階におけるサポートのポイントを紹介します。

1.感覚運動期(0~2歳頃)

触れる、見える、聞こえる、動くなどの感覚と運動を通じて学ぶため、おもちゃや音楽、絵本などを使って五感を刺激することが効果的です。

2.前操作期(2~7歳頃)

言葉や絵、象徴的な遊びを通じて学ぶので、絵本の読み聞かせやお絵かき、ままごとなどの象徴遊びを取り入れることがおすすめです。また、自己中心的な思考が強いため、遊びを通して他者の視点を理解する練習をすると良いでしょう。例えば、ごっこ遊びで他人の役割を体験したり、チームワークが必要なゲームを通して、他人の意見を聞いたり協力する練習をすることが効果的です。

3.具体的操作期(7~11歳頃)

具体的な物事に基づいた論理的思考が発達するため、実際の物を使った体験(積み木、パズル、科学実験、植物を育てるなど)を通じて学ぶことが効果的です。論理的思考とともに保存性についても習得する時期なので、身の回りの科学的な事象について学ぶ機会を設けるのも良いでしょう。また、子どもが何か疑問を投げかけた際には、「どうしてそう思うの?」「他にどんな方法があるかな?」といった質問をすることで、子どもが自分の考えを説明したり、論理的に考える力を育てることに繋がります。

4.形式的操作期(11歳頃~)

抽象的な思考や仮説的な推理が可能になるので、抽象的な問題解決や未来の計画を立てる練習をすることが有効です。身近で起きている問題の解決方法を考えたり、将来の夢について具体的なステップを計画したりすること、ディスカッションを通して他者と議論したり、解決策を模索することが効果的です。こうした活動を通じて、子どもは自分の意見を持ち、他者と協力して問題を解決する能力を養うことができます。

発達段階に合わせた習い事ならステモン

子どもの認知発達を促すためには、発達段階に合わせた環境を提供することが重要です。

幼児・小学生向けSTEAM教育&プログラミングスクール「STEMON(ステモン)」では、年中から小学校6年生まで通える7つのクラスを用意しています。各クラスの教材・カリキュラムは発達段階に合わせて考案されており、今のお子様の発達段階にぴったりの内容を学ぶことができます。

発達段階に合わせた7つのクラスとカリキュラム

ステモンでは、キンダリーからプログラミング&ロボティクス 3rdクラスまで7つのクラスがあり、各クラスで子どもたちの発達段階に合わせたカリキュラムをご用意しています。クラスごとに使用する教材も異なり、世界中から厳選したSTEAM教材の中から、今のお子様の発達段階に合った教材で学ぶことができます。

ステモンのクラスについて詳しくはこちら

 

ステモンカリキュラムの根幹にある2つの学習理論

ステモンのカリキュラムには、2つの学習理論が根幹にあります。

1.コンストラクショニズム学習理論

コンストラクショニズムとは、「つくりながら学ぶ」という学習手法です。手を動かしながらいろいろな素材を活用して構築していく過程で、考え、試し、気づいていくことを重視します。

一般的な学校や塾の集団授業では、先生から一方的に知識を受け取ることが中心ですが、コンストラクショニズムでは子どもたちが主体的に知識を「構築」します。既存の知識や経験と、目の前の新しい体験を組み合わせ、自分で考えながら学びます。

学習の際に具体的なものを使うのも、コンストラクショニズムのポイントです。幼児や低学年の子どもたちは、まだ抽象的な思考が難しい発達段階にあります。目に見える物や手で触れる物を通じて考えるため、目に見えない抽象的なもの(分数や小数点など)はまだ難しく、学習効果も乏しくなります。

ステモンのレッスンでは、ブロックなどの「リアル」な教材を使い、試行錯誤を繰り返します。子どもたちはブロックやタブレットを使って自分の考えを表現し、上手くいかなかった場合はすぐに修正を行います。たとえ最初は上手くいかなくても、それは悪いことではなく、より良く改良していけばよい、というマインドを育みます。

2.フロー理論

フローとは、深く集中している状態です。

野球のバッターが深く集中していると、ボールが止まって見えることがあります。「ゾーン」と呼ばれていますが、この状態がフロー状態です。フロー状態になると時間の概念が無くなり、過去も未来も気にすることなく集中を持続することができ、疲労も感じにくくなります。フローを繰り返し経験することで、人はその活動を遂行するための複雑な能力を身に着けていきます。

フロー状態になるためには、自分のスキルや発達段階と、挑戦の難易度が合っていることが重要です。例えば、先月野球を始めたばかりなのに、いきなり試合に出るように言われたらどうでしょうか。自分のスキルと挑戦の難易度が合っていないので、不安になり、フローにはなれません。逆に、何年も野球をやっているのに、素振りやキャッチボールばかりやらされていたら、退屈で、やる気を失ってしまいます。

フロー状態になるには、自分のスキルや発達段階にあった、適切な難易度の課題に挑戦することが重要です。ステモンでは、発達段階に合わせた難易度のカリキュラムで、子どもたちをフロー状態に導きます。

発達段階に合わせた教材・カリキュラムでコンストラクショニズム学習を行い、適切な難易度の課題でフロー状態へ導くことで、夢中になって楽しみながら学びを深めていくことができるのが、ステモンのレッスンです。

まとめ

「ピアジェの認知発達理論」は、心理学者ジャン・ピアジェが提唱したもので、子どもが成長するにつれて知識や理解がどのように発展するかを説明した理論です。ピアジェの認知発達理論では、子どもの年齢や発達に合わせて4つの発達段階が定義されており、それぞれの段階で子どもは異なる認知能力を発展させ、周囲の世界をより深く理解していくとされています。

子どもの認知発達をサポートするためには、4つの発達段階を理解し、子どもの発達段階に合わせた適切なサポートをすることが重要です。

幼児・小学生向けSTEAM教育&プログラミングスクール「STEMON(ステモン)」では、発達段階に合わせた教材・カリキュラムで、各発達段階に最適なレッスンをご受講いただくことができます。

ステモンでは、無料体験会を随時実施しております。

つくることで学ぶステモンのレッスンを、ぜひ一度体験してみて下さい。