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【2023年最新版】放デイ・児発の集客マニュアル完全版

2023.06.26

放課後等デイサービスや児童発達支援事業の安定した運営に欠かせない集客方法についてまとめました。

「集客の進め方がわからない」
「具体的な集客方法について知りたい」
「うまくいく集客のコツや具体例を知りたい」

こんな悩みをお持ちの経営者や管理者の方は多いと思います。
この記事では放課後等デイサービス・児童発達支援事業の現状を踏まえ、集客施策の考え方や、その具体的方法まで余すことなくお伝えします!

目次

  1. 放デイ・児発業界の現状
    1. 放デイの事業所数は5年間で2倍に増加
    2. 発達障がいの子どもをもつ保護者のニーズ
  2. 放デイ・児発が生き残るために必要なこと
    1. 施設が置かれている状況を把握する
    2. 施設の強みを打ち出し、競合施設との差別化を図る
    3. 集客を成功させるために必要な姿勢
  3. 具体的な集客施策
    1. ホームページ
    2. Googleマイビジネス
    3. SNS
    4. まとめサイト
    5. イベント
    6. 紹介キャンペーン
    7. 訪問営業
    8. 独自プログラム導入
  4. まとめ

放デイ・児発業界の現状

まずは放課後等デイサービス・児童発達支援事業の市場状況についてみていきましょう。

放デイの事業所数は5年間で2倍に増加

近年の放課後等デイサービス・児童発達支援事業所の増加の主な要因は以下の3つです。

  1. 2012年の法改正に基づく規制緩和により、あらゆる事業者が参入できるようになった
  2. 医療関係者以外の保健・福祉・教育関係者や、保護者に対して発達障がいの認知が広まった
  3. 発達障がいの診断基準の変更により、発達障がい該当者が増加した

特に2番目の要因の影響は大きく、知られていなかった障がいの存在が認知されるようになり、今後も放課後等デイサービスなどの障害福祉サービスを利用する子どもの数はしばらく増加すると予想されます。

したがって、利用者のニーズ増加とともに、今後も事業所の増加傾向はしばらく続くと考えられますが、いずれは全国的に飽和状態に近づき、淘汰の時代に突入することは確実です。

すでに開業数年で閉鎖に追い込まれる事業所も出てきており、法的要件を最低限満たした施設では人が集まらない時代になっています。

今後は保護者のニーズに合わせて、保護者が安心して子どもを預けられる環境と、充実した内容の療育プログラムを提供できる施設が選ばれていくでしょう。

発達障がいの子どもをもつ保護者のニーズ

放課後等デイサービス・児童発達支援事業の利用者は「子ども」であっても、実際に施設を選ぶのは「保護者」であり、保護者のニーズを捉えることが集客を考える上で最も重要です。
地域や施設によって保護者のニーズは異なりますが、共通する保護者のニーズを大きくまとめると以下の4つになります。

  1. 将来に役立つコミュニケーションスキルや生活スキルなど、ソーシャルスキルを身につけさせたい
  2. 学校や家庭ではできない学びや経験を子どもに受けさせたい
  3. 放課後に子どもが安心・安全に過ごせる場所を見つけたい
  4. 仕事の関係で、放課後に子どもを預けざるを得ない

特に2つ目のニーズは放課後等デイサービス・児童発達支援事業所が増加していく中で生まれてきたニーズですが、保護者としては、通わせていることで意味があると感じられる内容であることをよりシビアに求める傾向になってきていると推測されます。

放デイ・児発が生き残るために必要なこと

状況を分析している人

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所が順調な集客を行う上で重要な点についてまとめます。

施設が置かれている状況を把握する

業界全体の状況がわかったところで、次に自分たちの施設が置かれている状況を把握しましょう。
競合施設の観点で状況は以下2つに分かれます。

  • 施設の周りに競合施設が少ない → 競合施設との差別化ではなく、知名度や認知度の向上に力を入れる
  • 施設の周りに競合施設が多い  → 施設の特徴を明確に打ち出し、競合施設との差別化を図る

また、保護者のニーズも地域によって異なるため、地域の保護者に受け入れられやすい集客方法や強みの打ち出し方を考える必要があります。
例えば、「療育の質や学校では体験できないことを子どもに受けさせたい」と考える保護者が多い地域の場合、ホームページやチラシで施設の安全性や雰囲気を紹介するのは当然ながら、療育プログラム内容について詳しく発信しないと、保護者が施設を選ぶ決め手に欠けてしまいます。

一方、「子どもが放課後に安心して過ごせることが重要」と考える保護者が多い地域では、療育プログラム内容だけをアピールするのではなく、施設の雰囲気や日々の子どもたちの活動の様子、職員の人柄などを発信することが重要です。

施設の強みを打ち出し、競合施設との差別化を図る

施設の強みや差別化を考える上で基本となるべき視点について紹介します。
そもそも「差別化」とは、

子どもと保護者に競合施設よりも高い価値を提供すること

です。単に競合施設と違うことをするのは差別化ではありません。どんなに競合施設と異なる独自性のあるサービスを提供しても、子どもや保護者が価値を感じないのであれば意味がないからです。
では、どのような観点から差別化をしていくのでしょうか?基本となる軸は以下の3つです。

  1. 手軽軸:手軽さで選んでもらう
    例)施設の立地、送迎サービスなど
  2. サービス軸:サービス力で選んでもらう
    例)療育プログラムや支援の質の高さ、充実度など
  3. 密着軸:お客さまへの対応力で選んでもらう。
    例)個別療育や定期的な保護者・子ども向けイベントなど

ただし、基本的に保護者は手軽軸よりも「療育サービスの質」や「子どもが安心して過ごせる環境」を何よりも重要視しています。したがって、「サービス軸」や「密着軸」を中心に差別化を図ることも忘れないようにしましょう。

また、施設スタッフだけでは施設の持つ強みや特徴を見逃すこともあるので、既に通所している保護者向けにアンケートをとったり、WebやSNSで「放課後等デイサービス 選び方」などのキーワードで検索し、保護者がどのような視点で施設を選んでいるのかを調べてみることも有効です。

「保護者や子どもが、どんな悩みがあり、何を求めいるのか」に対して常にアンテナを張っておきましょう。

集客を成功させるために必要な姿勢

集客施策を成功させるために、以下3つを意識して活動を行いましょう。

  1. まずは経営者・管理者・スタッフで集客施策を考えてみる
  2. 目標を決めてしっかり最後までやりきる
  3. 自分たちだけで何とかするのではなく、場合によってはプロにアドバイスを求める

当たり前ですが、施設の置かれている状況や強みは各施設によって異なります。
まずはいきなりプロに相談するのではなく、一度自分たちで状況を分析し、集客のアイデアを考えてみましょう。そしてアイデアを考えた後は、目標を決めて最後までやりきってください。
「ちょっと試してみたがうまくいかなかった」でなく、「うまくいかなかった原因を考え、改善しては試すを何度も繰り返す」姿勢が大切です。もし「何度も改善を積み重ねたが一向に良くならない」ということであれば、プロに相談してアドバイスを取り入れてみてください。

具体的な集客施策

口コミのイメージ

発信するべき強みが決まれば、次は集客方法について考えます。
放デイの集客の要は口コミといっても過言ではありません。新規開設の場合は、充実した療育プログラムを事前に準備し、施設見学の時点で保護者を満足させる。既存施設の場合は、現利用者の満足度を高める。この積み重ねが良い口コミのもと、すなわち施設の強みになります。

逆に新規開設時点で保護者に良い印象を与えられなかった場合は、初めのマイナスの印象を挽回しないといけません。現利用者の満足度が低い場合は、そもそもどんなにアピールしても口コミが広がりません。

「スタッフも優秀で、保護者や子どもの満足度も高いのに口コミが広がらず、集客がうまくいかない」

という場合もあるかもしれませんが、この場合は口コミの発信力に課題があると言えます。いくらよい強み、口コミのもとがあっても、それを発信する工夫がなされていないと集客につなげることができません

また、各集客方法を通じて保護者が施設を利用するまでの導線を事前に想定しておくことも重要です。ホームページやSNSで情報を発信しても、問い合わせ先に関する情報が不足していたり、イベントを開催しただけで施設の説明会への導線を用意していなかったりすると、せっかくの集客施策が水の泡になってしまいます。

「保護者がどのような理由で施設に興味を持ち、利用したいと思い、申し込みをするまでにどのような経路をたどるのか」

を具体的に考えておくことが重要です。

上記を踏まえたうえで、以下では施設の強みを発信する具体的方法について紹介します。

ホームページ

保護者の多くはインターネットを利用して情報収集を行っており、ホームページを作成することは必須です。施設の場所や1日のスケジュール、療育プログラム等のサービス内容を紹介するのはもちろんですが、子どもたちの日々の活動や職員の紹介などを写真を交えて発信することで、施設の雰囲気を保護者に伝えることができます。

Googleビジネスプロフィール

Googleで「放課後等デイサービス」のように検索すると、検索結果の一番上に地図(Googleマップ)で施設場所と事業者情報が表示されることがあります。これはGoogleが検索キーワードと地域の施設に関連があると判断し、検索する人の位置情報に基づいて表示させているからです。

この検索結果の表示方法は「ローカル検索」と呼ばれ、リアルな施設や店舗をもつ企業にとっては非常に有効な認知度向上施策になります。飲食店のケースにはなりますが、ローカル検索で上位に表示させることで、売り上げが10%程上がった例もあり、行った方がよい施策といえます。

Googleや一般の方の情報提供によって、すでに施設情報がローカル検索に表示されている場合もありますが、間違っていることもあり、正しく充実した情報を保護者に届けるためには「Googleビジネスプロフィール」に施設情報を登録し、施設の担当者が情報を発信することが必要です。

SNS

インターネット検索に加え、多くの保護者はTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSでも情報収集を日々行っています。放課後等デイサービス・児童発達支援事業に関する口コミ情報も日々SNS上にアップされており、SNSで情報発信を行って保護者との接点を増やすことで、認知度向上や口コミの拡散が期待できます。

SNSには様々な種類がありますが、まずは保護者に対して簡単に情報発信ができ、つながりを生み出し、広げることができるという点でTwitterから始めてみるのがおすすめです。

まとめサイト

放課後等デイサービスは地域の介護サービスであるため、県や市などの公的機関のWebサイトで紹介されていたり、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所を集めたまとめサイトがある場合も多いです。

第三者が作成したまとめサイトに情報を掲載し、競合施設と比較して掲載することで施設の特徴が明確になり、競合施設との差別化ポイントを保護者に伝えることができます。このようなサイトは保護者から見れば情報が集約されているため、1件ずつ施設を調べる手間が省けて便利です。そして、掲載されている写真や口コミから興味を持った人がいれば、自施設のホームページを訪れることも期待できます。

まとめサイトのように複数の施設情報が掲載されているサイトはあらかじめページを閲覧する人の対象が絞られており、利用者となりうる保護者層に直接情報を届けやすい窓口になります。開業したばかりで施設自体の知名度がなくても、自施設を見つけてもらいやすくなるのでおすすめです。

イベント

定期的なイベント開催で認知度を向上させる取り組みも効果的です。イベントには保護者向けと子ども向けの2つのパターンがあり、目的に応じて両方のイベントを実施していくことが大切です。

子供向けのイベントとしては、夏祭りやキャンプ、クリスマス会など季節ごとのイベントが開催するのがよいでしょう。発達障がいの子どもをもつ保護者の中には、十分なフォローがされていないイベントに子どもを連れて行くことが不安と感じる方も少なくないです。放課後等デイサービスや児童発達支援事業所のように専門のスタッフがいる場所で行われるイベントだと参加しやすいという点も集客にプラスに働きます。季節ごとに子どもが楽しめるイベントを企画して、保護者に向けて発信していきましょう。

保護者向けのイベントとしては、発達障がいのある子どもの育児などについて学ぶセミナー、保護者同士の交流会、施設を紹介する説明会などがあります。特に発達障がいの子どもを持つ保護者は、育児に関する情報を収集して子育てに役立てたいと考える方が多く、専門家を呼んだセミナーや保護者同士の情報交換の場としての交流会などを主催することで、施設の認知度向上につながります。

紹介キャンペーン

友人紹介による割引サービスも積極的に導入しましょう。施設を紹介した人と紹介された人、双方の料金が割引になると、保護者も積極的に知り合いにアピールをしてくれる可能性が高まります。施設利用の対象となる保護者層に絞ってアプローチができるので、費用対効果の高い集客方法といえます。

放デイ・児発は公的サービスであるため、キャンペーン内容は料金の割引ではなく、本などの特典をプレゼントする程度にしておきましょう。どの程度のキャンペーンを行って良いかの詳細については、必ず各自治体の窓口に問い合わせしてください

また、保護者にとって紹介キャンペーンは料金割引以外にも大きなメリットがあります。例えば、紹介で知り合いの子どもが施設を利用するようになれば、子どもが施設内で人間関係を築くのが楽になります。発達障がいをもつ子どもは友達をスムーズに作るのが難しいことも多く、もともと知っている子どもが施設に来ることで子どもや保護者の安心感につながります。

訪問営業と繋がり構築

施設で行っているサービスを広く周知させるために、相談支援事業所や学校などを訪問し、施設のサービス内容に関する認知を広めていくことも有効です。実際に訪問営業を強化することが関係機関・保護者の口コミの広がりにつなげ、施設稼働率の増加に成功した施設もあります。

独自プログラム導入

施設の強み、すなわち「差別化」に直接つながるのが、他の施設にはないサービスの導入です。放課後等デイサービス・児童発達支援事業所に子どもを通わせたい保護者の悩みの1つとして「どこの施設も同じように見える」ということが挙げられます。

工作やお絵描きだけではなく、その施設でしかできない経験を提供することで、施設としての魅力がぐっと高まります。放デイ・児発は療育施設ですから、単なるあずかりだけではなく、施設で実施した活動で、子どもの特性に対して何かしら効果が期待できるものをしっかりと提供することが重要です。

とはいえ、療育内容をたくさん考えられるスタッフや、ベテランの先生が常にいるということは難しいでしょう。どんな先生でも、よい療育を行えるよう、療育効果の実証されている教材やカリキュラムを導入することも一つの手段です。

最近は小学校でプログラミング教育が実施され始めたことや、メディアなどでプログラミングの重要性、発達障がいとプログラミングの相性など様々な情報が発信されていることを受け、保護者の間でプログラミングに対する関心や期待が非常に高まっています。

また、国としてはプログラミング教育をさらに発展させたSTEM教育・STEAM教育という新しい教育の形を日本に導入していくことを掲げており、発達障がいの子にとってより学びやすい教育の形が広がっていく可能性があるという背景も見逃せません。

放デイや児発で利用できる発達障がいの子ども向けのプログラミング・STEAM教育教材の詳細については以下からご覧ください。

まとめ

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所の集客について、業界の現状から、集客の基本的な考え方、具体的方法などを紹介してきました。
参考にできる集客の成功事例はたくさんありますが、企業ごと施設ごとに状況が違うため、どの集客施策が最も効果的かは実際に試してみないとわかりません。うまくいかなかったことも1つの成果と捉えて、保護者や子どものニーズを常に念頭に置きながら、色々な施策に挑戦していってください。