すてむぼっくす導入教室の紹介【第1弾】
いろいろ体験をしながら、楽しく自立を目指す~横浜市「CharM」~
今回は、STEM-BOXを横浜市内で一番初めに導入いただいた「CharM」の児童発達支援管理責任者 (以下 児発管) 仲地 梢さん (以下 梢さん) と、経営者 仲地 若乃さん (以下 若乃さん)、そして管理者 和田 舞さん (以下 舞さん) にお話をお伺いしました!
子どもたちが、「チャレンジできるように!」「個性を発揮できるように!」と、STEM-BOX以外にも、様々な療育プログラムを提供している「CharM」。日々の療育についての思いと「CharM」の魅力について、取材しました。
放課後等デイサービスの必要性を感じて
ーー放課後等デイサービスで働こうと思ったきっかけを教えて下さい。
〇若乃さん
子どもが小さかったので働く気持ちはなかったのですが、当時別の放デイで児発管をしている梢さんに「もっと一人一人に寄り添う療育がしたいから、会社を立ち上げたいのだけど、手伝ってくれない?」って言われて、今の教室を開設しました。私自身は責任のある仕事で自分に出来るのかという思いもあり躊躇していましたが、梢さんの話を聞いているうちに一人のお母さんとして私にも何かできることがあるのではないか!と考えるようになりました。
〇舞さん
今の仕事をするまでは、事務職が長かったんです。ある幼稚園で事務の仕事をしていた時、特性がある子どもたちに、私も他の先生たちも、この子にはどんな対応したら良いか常に手探りで・・・。もっと知識や経験が私にあれば違うアプローチが出来るのではないのか。という思いがありました。保護者も、お迎えの度に「迷惑かけてすみません」と謝罪していて・・・。その様子を見て、「児童発達支援・放課後等デイサービス」という療育をする仕事の必要性をものすごく感じました。そんな時に、「一緒に手伝ってくれない?」と声をかけていただきました。
〇梢さん
私は、もともと「居宅介護」「移動支援」をしていました。でも、働いていくうちに、教室(児発や放デイ) で、子どもたちに向き合い、子どもたちの可能性を広げたいと思い始めました。「居宅介護」や「移動支援」だと、家の中などの限られた環境での様子しか把握することができませんでしたから・・・。
ーーそうだったんですね。今の放デイを起ち上げたいと思ったきっかけは、何でしたか?
〇梢さん
子どもたちは、日々変わっていくので、もっと柔軟に対応できる環境を作りたいと思いました!あとは、保護者がポジティブに子育てができるような環境を作りたいというのもあります。今まで療育の世界で働いてきて、保護者がネガティブに子育てをしているのがずっと気になっていました・・・。CharMでは、「楽しく子育てしようよ!」「愚痴や悩みも言って下さい!」というメッセージを、保護者の方に伝えています。先生に相談する・話すことで、保護者がポジティブに子育てができればいいなと思っています^^
子どもたちの可能性を広げる療育プログラム
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
英語 (ジョリー フォニックス) | STEM-BOX | 体幹トレーニング&リズム (実験教室 ) | リトミック | 工作 | STEM-BOX Jr. |
ーー現在行っている療育プログラムを教えて下さい。
〇舞さん
まずは、STEM-BOXですね!「プログラミングを学ばせたい!」という遠方の保護者の方から、問い合わせをいただくこともありました。
〇若乃さん
夏休みのイベントが好評という事もあり、実験を通した療育ができないかと考えている時に、高校の生物の先生をしていた方とご縁があり、実験教室も始める事ができました。ただ、衝動性の強い子が多いので、実験中「危ないな」と感じることがあり、9月からは体幹トレーニング&リズムのプログラムの時間に変更しています。体幹トレーニング&リズムを始めてから、手が出なくなったり、お話が少しずつ聞けるようになったりしています。洗剤などを使うので、「安全にできる」ようになってから、実験教室を再開しようと思っています!他にもSSTやリトミック、工作のプログラムもあります。
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ーー毎日違う療育プログラムを行っているんですね。
〇若乃さん
他の放デイより、少し自由時間が少なくなってしまいますけど(苦笑)
〇舞さん
でも、CharMに来たら「これをする」って決まっていると、メリハリがつくと思います!リトミックでは、毎年発表会もしています。今年はコロナの影響でオンライン発表会にしました。
〇若乃さん
特性によって、その日のプログラムに参加できない子には、別の療育プログラムを用意しています。得意を増やしてほしい。楽しめることを見つけて欲しい。という思いがあり、一人ひとりに合わせた課題を本人やスタッフと相談しながら提供するようにしています。可愛いものが好き。という高校生の女の子は、今は羊毛アートに取り組んでいます。羊毛アートを通じ準備や片付け、次の作品のデザインを考えるなど自立に向け意思決定が出来るかを課題としています。(作品の写真があれば・・・)
ーー日々の療育プログラムを通して感じる子どもたちの成長を教えて下さい。
〇梢さん
どの療育でも、子どもたちの集中力UPにつながっていると感じています。
〇若乃さん
STEM-BOXでは、組立ガイドを自分で読めるようになってきました!特に、2nd コースの子どもたちは・・・。「すごいな~」と感じます^^
〇舞さん
2nd コースになると、お友だちと協力して、一緒に何かを作るレッスンがあるので、「お友だちと一緒に何かをする」ことができるようになってきましたよ!
日々成長するCharMの子どもたち
ーーCharMに通う子どもたちの印象的なエピソードを教えて下さい!
〇梢さん
場面の変更で服を着替えたい子がいるのですが、ハンガーラックに色々な洋服をかけておき、着替えられるという安心感を提供しています。CharMに来たら1回だけ服を着替えられるよとお約束したら、落ち着いて活動に参加できるようになってきましたね。始めのうちは必ず着替えていたのですが、最近は着替えをしなくても気持ちを切り替えられる日も増えてきました。
〇若乃さん
あとは、最近苦手なおやつを「交換して下さい!」って言えるようになりました!始めは、「交換したい」って、なかなか言えずスタッフからの声掛けを待っていのですが・・・。おやつのことだけではなくて、お休みの日に遊びに行ったことや小さな秘密を教えてくれるようになりました。・・・。こんな風に、たくさんお話できるようになったのはうれしいです^^
〇舞さん
「苦手だから、交換してほしい」って言うだけではなくて、一口食べてみようってチャレンジする姿も見られますよ!
ーーすごい!何かきっかけがあったんですか?
〇梢さん
先生が気づいてくれる環境に安心・信頼してくれたのかもしれません。「ちょっといつもと違うな~」と感じたら「どうしたの?」と声がけをしたりとか、あとは、「話してもいいんだよ」という雰囲気を、常にスタッフが作ってくれているので、「先生なら、聞いてくれる」「話していいんだ」と感じてくれているのだと思います。
〇舞さん
困っている様子の子どもに「おやつ、交換しようか?」「○○しようか?」という声がけだけじゃなくて、「どうしたの?」「どうしたいの?」と声がけをするようにしていますね。そうすることで、「交換したい」「○○したい」と自分の意思を伝える機会が増えますので。
ーー他にもエピソードがあったら、教えて下さい!面白エピソードでも良いですよ(笑)
〇若乃さん・梢さん・舞さん
日々、面白いよね!毎日新しい発見があります。
〇梢さん
毎日、子どもは変わるので!天気がいいと元気だし、雨だとうじうじしてみたり・・・
小学生から、いきなり「抱っこして下さい!」って言われたり・・・(笑)
ーー小学生でですか!?
〇若乃さん
1人を椅子から降ろすために、抱っこしたら、もう一人が走ってきて後ろから飛びついてきたり・・・(笑) 自分も抱っこしてほしかったのかな?(笑)
お迎えのときに、お母さんの前で「抱っこして下さい」って言われたこともありました!
お母さんも「えっ!抱っこしてっていうの?」とびっくりしてましたよ~
ーー子どもたちは、CharMさんにいるときは、「甘えてもいいんだ!」って思っているのかもしれないですね。
〇若乃さん
そんな風に思ってくれているなら、嬉しいですね! ただ、他の人との距離感をつかむため基本的には抱っこではなくハイタッチやひじタッチなどのスキンシップを行っています。今は、コロナでなかなかスキンシップをとるのは難しいですが・・・
〇梢さん
安全面・衛生面を考えながら、子どもたちとのかかわりを大切にしています!
常に子どもたちのことを考えた支援内容
ーー他の放課後等デイサービスと一味違う療育・支援はありますか?
〇舞さん
今は、コロナで出来ていないのですが、タッチケアをやっていて、タッチケア大好きな子が多いですね。「やって~」っていう子もいて・・・今はできなくて残念ですが、落ち着いたら再開する予定です。
〇梢さん
肌と肌との触れ合いがあることで、精神的に安定させ、信頼関係を築くようにしています。また、新小学校1年生の子は、ゴールデンウィーク明けまで学校お迎えではなく、原則ご自宅お迎えをお願いしています。保護者が学校の先生とお話する機会を増やして、信頼関係を築いてほしいという思いがあります。
ーーそうなんですね!なかなかない、珍しい送迎の方法かもしれませんね
〇梢さん
最初の一か月をご自宅お迎えにすると、先生と信頼関係を築けるほかに、児童も安心しますし、気持ちの休憩ができるのではないかなと思います。慣れない小学校生活で、大分疲れていると思うので・・・。
ーー確かにそうですね。「学校→CharM」でなかなか家に帰れないと、慣れるまで子どもも疲れてしまいますよね。
〇梢さん
それと、1日に3つ以上は場面変化をしないでほしいとお願いしています。「学校→学童→CharM」だったら、これで1日はおしまいにしてもらっています。その後に習い事に行くことは、避けていただくようお話しています。3つ以上の場面変化や、スケジュールがあまりにもパンパンだと子どもが不安定になりやすいので・・・それに、子どもも疲れてしまって、CharMに来ても療育の内容が入りにくくなってしまいます。
スモールステップで、子どもたちの自立を支援
ーー教室の目標の1つ「自立」に向けた具体的な療育・支援を教えて下さい。
〇舞さん
教室利用の管理やお留守番など、子ども一人一人に合わせて支援しています。小学生の子だと、お留守番の練習をするために家の鍵を持たせてもらっています。家まで送迎したら、「鍵を開ける」⇒「あいさつをする」⇒「鍵を閉める」⇒「保護者が仕事から帰ってくるまで10分~30分ほど、お留守番をする」というように、お留守番の練習をしています。もちろん、スタッフが見守っていますよ。
〇梢さん
中学校進学を見すえて、小学校5年生からは自分で1か月スケジュールを出してもらっています。「学校で○○があるから、○時にCharMに来る」「用事があるからこの日はお休み」みたいに・・・。バスで通う子もいますよ。バス通学、最初の1回目のときだけ、スタッフがバス停までお迎えに行っていますが、そのあとは時間を調べて1人で通ってもらっています。帰りは暗いので、送迎を使っていますが、スモールステップで、出来ることを増やしています。
〇舞さん
自分で考えて、調べて行動するというスキルを身につけていってもらえればなと思っています。
〇若乃さん
高学年の子は、徐々に色々なことが自分でできるように支援していっています。児発管と保護者が相談しながら、スモールステップで支援を進めています。
〇舞さん
月~金まで学校まで車で迎えに来てもらって、家まで車で送ってもらう子どもが、放デイには多いと思います。CharMでは、自立通所支援の一環で公共交通機関を使い通えるようにしていきたいと考えています。
柔軟に、そしてポジティブ思考で働こう!
ーー放課後等デイサービスのお仕事の「やりがい・面白さ」を教えて下さい。
〇若乃さん
毎日、子どもたちと関わるのが、本当に楽しくて^^
可愛らしいお手紙を書いてくれたり、リトミックで曲を合わせられるようになったり、日々成長する姿にこちらが元気をもらっています。「桜祭り」や「ハロウィン」などの行事を、子どもたちと作り上げるのも、とても面白いです。今はハロウィンに向けて、工作の日にみんなでピニャータを作っています!
ーー反対に、日々のお仕事で大変なことはありますか?
〇若乃さん
送迎業務ですね。やっぱり「子どもたちを乗せている」という責任と緊張感がありますから。運転は、嫌いではないんですけど・・・
〇舞さん
保護者対応ですね。保護者の精神状態が、子どもに反映されてしまいます (これは、特性の有無に関わらずですが・・・)。保護者の方が笑顔でお子さんと関われるように一緒に子育てしていきたいと考えています。
ーー児発菅ならではの大変さもあると思うのですが、いかがでしょうか?
〇梢さん
個別支援計画を考えることですかね・・・(苦笑) 特に、保護者と教室で目標設定がずれたとき、支援や目標をご家庭と一緒にするのが、難しいです。やはり、私たちが見ている子どもの様子とご家庭での子どもの様子は、変わってしまうことがあります。あとは、問題と思っていることが違うこともあります。ずれてしまったときには、ご家庭での様子をヒアリングする時間を十分に取りながら、目標を設定していきます。
ーー放課後等デイサービスなど療育の現場でのお仕事に向いている人ってどんな人でしょうか?
〇若乃さん
ポジティブな人!周りをよく見ることができる人!ですね。「あっちでは、絵を描いているな~」「こっちでは、ブロックで遊んでいるな~」と。でも、一番は明るくて、子どもと一緒に色々なことを楽しめる人だと思います!もちろん、叱るときは叱るというように、バランスは必要ですね。
〇梢さん
あとは、子どもと一緒に遊べる人ですね!信頼関係ができていない大人に何か指示されても、子どもたちは聞いてくれませんから・・・。CharMでは、信頼関係を築くために、まずは子どもたちと「一緒に遊ぶ」ことをお願いしています。
〇舞さん
放デイの場合は、チームで仕事をしています。「1つのチームで、子どもたちの療育にあたる」という意識を常に持っていてほしいですね。
ーー放課後等デイサービスで働く前と後で、どんなギャップがありますか?
〇舞さん
「見守りのお仕事」と考えて働き始めてしまうと、ギャップを感じてしまうことが多いかもしれません。CharMでは、居場所であり、成長する場所としての関わり方をスタッフにお願いしています。
見た目では特性の有無を判断しにくい子がパニックになったりすると、驚き自信を失ってしまう人が多いのですが、その子の特性を理解するためにスタッフミーティングは必ず行っています
〇若乃さん
私も、最初は「こんな強く握られるの!?」とか「こんなに泣くの!?」とか、驚くこともありました。でも、怖がったり、クヨクヨしたりせず、「次はこうしてみよう!」と柔軟に、そして前向きに考えることが大切だと思います。
舞さん 悩んでいる保護者に相談されたときにも、「お母さん、大丈夫ですよ!」というように、まずは前向きな言葉をかけられる人がいいですね。
最終目標は、円滑に「1日の支援」を行うこと
ーーいろいろなことにチャレンジされているCharMさんですが、今後挑戦したいことなどありますか?
〇梢さん
最終目標は、「子どもたちの1日の支援ができるようにする」です!現在は、どうしても支援がブツ切れになってしまうことが多いです。「学校は学校」「CharMはCharM」「他の放デイは放デイ」のように・・・。そうではなくて、その子が1日で関わる場所をつなげて支援ができるようにしていきたいと考えています。なので、他の事業所や学校へも、自分たちから積極的に連携を図って、子どもの情報を共有していきたいです。
ーー最後に一言メッセージをお願いいたします!
CharMでは、様々な療育を行っているので、お子さまの可能性を広げられる場所になるかと思います!CharMで一緒に楽しく子育てをしましょう^^
梢さん、若乃さん、舞さんありがとうございました!
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